6月の生パスタと季節のお料理の会が進行中。
ドルチェ以外は、料理学校時代にヴェネト州出身のシェフ、リナルド・バラルディから教えて頂いたお料理をアレンジしてご紹介している。
寒さが厳しいお山の中の学校で、学校長のジャンルーカが不在だった二日間、バラルディ・シェフが生徒達と朝昼晩の三食を伴にした。皆のお父さん代わりというか、お年の頃で言えばお爺ちゃん代わりというか、いつもとは違う眼差しで見守られていたという記憶がある。
バラルディ・シェフの授業の数日前、大友人M女史が日本から風薬やら、ヘアカラーやら、成田空港の京樽で買った鯖寿司やら大きな荷物を抱えて訪ねて来てくれていて、その荷物の中に彼女のお母様お手製の梅かつおがあった。夕食の時にそろそろ日本食が恋しくなってきた日本人の生徒達に瓶ごと回すと、シェフも味見させて欲しいとおっしゃるのでスプーンの先にほんの少しすくって手渡した。たいがいの外国人はそのしょっぱさや酸っぱさに驚くが、そんな表情はみじんも見せずじっくり味わうようにして一言「とても興味深い味だね。」とおっしゃった。その後、作り方を熱心に聞かれていた。
今回のレシピを書いていたら、すっかり忘れてしまっていた当時のことをいろいろと思い出した。料理が出来上がった時のシェフの満足そうな顔、その日の夕食の皆のとても安堵したような表情、ほの暗い部屋の灯りの色まで。
ふとした瞬間に過去の記憶が呼び起こされることがあるが、食べ物で掘り起こされる記憶というものが、幼い頃の事からも含めて多い。生来の食いしん坊だからだろうか。

Sorprese di verdure grigliate con scamorza affumicata gratinata
グリルした野菜と燻製スカモルツァチーズのグラタン焼き

Riso alla pilota
脱穀係風リゾット

Petto di porro e panchetta al forno con piccolo caponata di verdure
鶏の胸肉とパンチェッタのオーブン焼き 小さな野菜のカポナータ添え
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